top of page

2012/05/02 (Wed) パラゴンのスペック(木材編)

 

 昨日今日と家の片づけ(九州からの荷物)をしていますが、遅々として進まないのであります。

 収納キャパ以上に物が多い!・・・・でも捨てれない!・・・・・でも見苦しい!・・・・・どうにもならない!と、PCへ逃避した次第です(笑)。

 

 つい数日前に、九州の喫茶「古処」のマスターから「よくがんばったね」っと電話をもらいました。

 訓練校でパラゴンを製作中に2度伺わせて頂き、マスターの実物パラゴンでいろんな箇所を確認させて頂きました。

 また、マスターからは貴重なパラゴン話をいっぱい聞かせてもらい、とても参考になったのです。

 なので、電話頂いたことが、とても嬉しくついつい長話してしまいました。

 

 いろんな御方とお話しする中で、必ず聞かれる自作パラゴンのスペック(仕様)について記してみます。

 

 木工が生業なので、筺体の部分から・・・

 

 ≪1≫ 筺体の材質: フィンランド・バーチの積層合板(24mm厚)

      オリジナルのパラゴンは、初期型が米松合板(3/4インチ=約19mm厚)です。中~後期型はパーチクル・ボード(1インチ=25.4mm厚)で作られています。       僕は、木屑を固めたパーチクルボードがどうしても嫌で高級オーディオの世界では最高級材と言われてるフィンランド産のバーチ(樺)合板で作りました。

      この合板はシナ合板のように、表面だけにバーチを使っているのではなく、表・裏・芯も全て100%フィンランド・バーチなのです。

      バーチはとても硬く・重い材質で、フィンランドの極寒の地で育っているのでギュ~っと締まっているのです。

      値段も普通の合板の20倍近くし、重くて1人で持てないし、硬くてネジが入って行かないし、請求書を見てその額に鼻血ブーで卒倒するし(笑)の多重苦でしたが、思った通りの最高な仕上りです。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 ≪2≫ 表面仕上げ: ゼブラウッドのオイル仕上

      オリジナルのパラゴンは、ウォールナットのオイル仕上がほとんどですが、僕はちょっとハードな感じのパラゴンが作りたかったのです。

      訓練校に入校したての昨年の今頃、真面目な僕は(笑)、図書館で木に関する文献を読み漁っていました。

      今もって、全くその樹種については覚えられていませんが、その時に見たゼブラウッドの杢目にノックアウトでした。

      「ゼブラ・ウッド」って名前もまたまたステキ!(笑)

      こやつをなんかして使ってやろうと考えてました(笑)。

      で、パラゴン自作を心に決め(笑)、資料を漁っていた時に目にしたモノクロの写真!

 

 

 

 

 

 

 

 

      「こ・こ・これだぁ~~~!、かっくいいなぁ~!」・・・・と、

      よく見るパラゴンとちょこっと違いますでしょ。このイメージで作ろうと思ったのです。

      この写真にゼブラウッドがシンクロしたのです。

      実際のゼブラウッドは少々明るい肌合いなので、オイルステインで濃厚に仕上げています。

      因みに、オリジナルパラゴンの純正オイルもウォールナット色のオイルステインなのです。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

      木目は、あえて柾目(年輪の模様が平行で真っすぐ)にしました。

      家具の世界では板目(年輪の方向が山形)よりも柾目の方が高級材なのです。

      こういった自由度も自作の醍醐味ですね(笑)。

 

 ≪3≫ 脚: なんだかステキな杢目の木材

      オリジナルのパラゴンは、確か黒檀で作られている様な・・・・事を読んだ記憶があります。

      僕は、当初ゼブラウッドの無垢材を捜していたのですが、出来上がり寸法で64mm厚が必要でしたので北は北海道から南は九州までネットと電話で探しまくりましたが・・・・残念ながら見つかりませんでした。

      もともとゼブラウッドはあまり大きな木ではなく、確り使える部分も少ないので困難でした。

      唯一見つけた製材屋さんは「丸太で買ってくれるなら譲ります」・・・・・

      で、絶望的悲観的感傷的八方塞な時に、訓練校の材料置き場に混ざっていた珍種の存在を教えてもらったのです。

      どうやら、間違って混在したらいしいです。

      まさに、童話「みにくいアヒルの子」でした。

      黒褐色の不規則な縦縞がゼブラウッドにはピッタリなのです。

      切り出して、削って、磨くと・・・・あらまぁ~、ステキ!(笑)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

      クラスのみんなも、「なんだ!なんだ!、この木は!」と興味深々でした。

      まさか、いつも使う学校の材料置き場にあったとは・・・・てな感じです。

      樹種は解りませんが、「自称:黒柿!」と呼んでました。・・・・確実に違うと思いますが(笑)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

      先日、本物のパラゴンのお化粧直しをしているなかで、この脚についてはいろいろと発見しました。

      一番驚いた事は、脚の上部「上の写真」が本物のパラゴンは無垢材の削り出しではなく、芯材の上にウォールナットの厚板が巻き付けてあったのです。

      僕のは・・・・勿論「無垢」ですよ(笑)

 

 ≪4≫ 塗装: オイルステイン&無塗装

      オリジナルのパラゴンは表面の突き板部分は、オイルステイン。

      それ以外は黒ペンキの塗装か黒色の化粧合板を使ってます。

      木工家具科で修行に励む身でしたので、塗装は木質の活かす「オイル・フィニッシュ」と考えていました。

      でもでも、いろんなオーディオ愛好家の方達とお話する中で、気候・木質・塗装についてもオーディオ、音質ならではの考え方を教えてもらいました。

      特に日本の高温多湿の気候は、音質にはとても不利なのです。

      なので、音の発信源や通り道は“カラっと”と乾燥した状態がベストなのです。

      ・せっかく乾燥した材料にオイルの様なベタベタ湿った状態など、もってもほか!!

      ・塗装はなるべくしない方がベター! 

      こんなご教授を基盤に、ゼブラ・ウッドと脚以外は、「無塗装」にしました。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 ≪5≫ 緊結: ステンレス木ネジ、長ネジ、蝶ネジ、ボルト、ナット、ワッシャー・・・・・

      ネジと言うネジは全てステンレスを使用しました。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

      クギは、真鍮クギを使いました。

      意匠的にもステキなんです(笑)

      ネジのピッチも見栄えを考え、キッチリ等間隔で打ちました。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

      ウーハー・ボックスのネジ止めにも真鍮のローゼンワッシャーを使いました。

      佇まいがステキでしょ(笑)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

      大事なんですよ、見えないところのオシャレは(笑)。

 

 なんだか、どうでもいいような細かな事まで綴ってますね(笑)。

 でもこれが・・・・自作の面白さなのです。

 到底敵わぬ、本物のパラゴンへのささやかな抵抗と僕のこだわりなのです(笑)。

 

 文が長すぎて、スピーカー・ユニットまで話が及びませんでしたので、また次回にします。

 

 あっ、大事なサイズですが

 勿論・・・・本物に忠実に2,632mm x 900mm x 740mmに仕上げてます。

 重さは、多分本物よりも重いと思います。

 350キロはゆうに超えていると思います。

 

 ついつい長文を書いてしまいました(笑)では、ご一緒に一服してください。

 折角の黄金週間が雨!月曜日ではありませんが、「ストーミー・マンデイ」豪華ですねぇ~!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 バディ・ガイ、ジャック・ブルース、ローランド・カーク、・・・・・このローランド・カーク、負けず劣らず凄い御方ですよね。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 ぼくはこのレコードジャケットを見て、「なんじゃぁ~コレ?」と買ったのが切っ掛けで聴き始めした。

 盲目のジャズミュージシャン、何本ものサックスを同時に吹く!、

 4ビート~ファンクまで・・・・欲張りで自由人な感じが好きでした(笑)カッコいいジャズも演奏してますので・・・・ついでに

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ジャック・ブルースも、クリーム時代の好きなレコードといえば・・・・・・長くなるので止めときます(笑)

 

 

フィンランドバーチ
パラゴン木目
ゼブラウッド
レッグ
黒柿
無塗装
ステンレス
真鍮
ローゼンワッシャー
ローランドカーク
bottom of page