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2011/11/20 (Sun) 大胆不敵

 

 実は小生、パラゴン(PARAGON)の実物を見た事がありません!


 そんでもってパラゴンを作ろうとしてます。
 これを言うと10人が10人、中には親戚縁者・ご近所さんも巻き込んで、え~~、うそ~~、信じられな~~い!!!!と言って、ぶっ倒れます。
 中にはキャーと阿鼻叫喚の形相で気を失います。(小生の家族の事ですが)。


 おまけに、むか~しからこの壮大(=無謀)なプランを思い描いていたわけでもありませぬ。
 退職し、何が出来るか?何がやりたいかと自問自答する中で、自分で物を作りたい。
 そうだ木工を目指そう! 45歳・妻と2人の子供がいる家長の考える事ではありません。
 おっしゃる通り。重々に承知しています。


 そんな中でパラゴンに出会いました(正確には出会っていません。雑誌かなんかで見たんだと思います)。
 もともと音楽が好きでJBLのスピーカーは憧れでした。


 特に4350のウーハーの迫力(これは実物を見た事はありますが、音は聞いたことはありませんので迫力とはその見た目の事を意味します。悪しからず)には完全にノックアウトでした。
 また、グレイトフルデッドのステージに積まれたおびただしい量のJBLのスピーカーの光景にもぶっ飛んで感動した記憶が残ってます。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 


 

 

 

 だからパラゴンの存在も記憶の何処かにあったのだと思います。
 そんな小生ですが、かろうじて
4312MKⅡで楽しんでる程度の単なる音楽好きで決してオーディオマニアでは御座いませぬ。
 だから全くスピーカーの構造には精通していません!(威張る事ではありませぬが)


 だからと言っては何ですが、パラゴンを見た時(勿論写真です)、木工を志した小生は、

 「素人じゃ無理だけど木工の技術があれば簡単じゃん。楽勝・楽勝」と気軽に考えていました。


 木を四角にゴシゴシ切って、ボンドとネジでパンパンパンとくっ付けて、長方形の木をエィ・ヤァ!と曲げれば出来ると思っていました。ハハハですね。


  実際に製図の自由課題の授業でパラゴンの図面を書き始めた時、さすがの小生もパラゴンの写真に向かい「おぬし、なかなかやるな。手強いぞよ」と敬意を払 い、ネットでよく見る簡易図を拡大したり縮小したり写真から他辺比率を計算するなど試行錯誤して何度も書き直し(これだけで本格的な図面を書こうとしてい た、あの夏の日の小生の天真爛漫さにも敬意を払います)、

 

 天のお助け情報(しらみつぶしのネット検索)で得た専門誌のバックナンバーを執念の賜物で手に入 れ何とかそれらしい図面を書き上げました。

(一冊は30年前の雑誌でまぁ~手に入れるのに苦労しました)
 

 

 

 



 

 

 

 

 

 

 それからがとてもとても語りつくせぬ程に大変で、一難去らずにまた一難、行ったり帰ったり、泣いたり、わめいたり、食ったり、飲んだり、そりゃ、そりゃ、横槍・縦槍・後槍の攻防の末、先生2人のご理解とご協力の下、製作の許可を取り付けてくれました。

 

 感謝・感謝・感謝!!!!!!


 そんなこんなの小生は実際のパラゴンを見た事も無いし、オーディオの事もさっぱり解らない、只只、パラゴンの佇まいが美しく、木工を志したので是非挑戦したいと考えただけの理由で挑んでいます(ピュアだなぁ~!)。

 

 一角の木工家とオーディオマニアの視点ではマイナス要素満載と言うらしいです。(無謀だなぁ~!)
 

グレイトフルテッド
設計図

 

2011/11/21 (Mon) 粗切り

 

午前中はグループ製作の下駄箱に掛り、午後から木型の縦横の部材切りを行う。

 


 

2011/11/22 (Tue) 小さな勘違いが招く大きな失敗

 

 今日は先日作ったマスター型を使ってプレス用木型を作るぞー!と息巻いて登校。 

 午前中はグループの下駄箱製作に加わり、途中に固定用の冶具を作って午後からスタート。

 

 前夜にバーボンソーダを舐めながらハードボイルドに計画を立てる。

 先ず、ルーターでギュイ~ン・ギュイ~ンと切断し、切った材をネジでギュ・ギュと締め付けてハイ完成!簡単だべ!とこんな具合。

 文書にすると、我ながら見事なまでに擬音満載でお気楽な計画だ。

 

 さて取り掛ろうとすると大変な失敗を発見する。

 前日に切った材料の寸法が間違っていた。 1780mmで切るところを、1708mmで切っていた。 

 血の気が引いた。

 仕方がないのでマスター型の両端を36mmずつ切り落とし調整する。

 そしてやっとマスター型を使ってR部材の切り出し。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 予定は未定、そんな簡単に行くはずもなく未完成で終了。

 休み明けにはとうとうスピーカー本体の材も入荷するので少々焦る。

 なかなか思うように進まない。

 

 【余談】

 完璧で華麗なまでにインドアー派の小生が、毎日コンパネ10枚を右に左に上に下に運んでいる。

 コンパネ1枚が13kg位なので約130kgもある。

 ムキムキ・マッスルへ肉体改造中! と言いたい所だが、ムチムチの体に筋肉痛か宿り・増殖し、サロンパスで全身覆われつつある。

 日増しに、木型を作ったはいいが一人じゃ動かせない、と実感してヘンな 汗が出てくる。 愛知に持って帰るのも一苦労。    

 ついでにパラゴンは350kg位になる予定。トホホ

 


 

2011/11/23 (Wed) 引きこもりの休日

 

 今日は勤労感謝の日で祝日。

 いよいよ明日入荷する材料に向けて、引きこもって木取図の見直し(一枚の板からどんな形の材料を切りだすかの図面。

 木目を考えながら効率的に部材を配置しないと無駄な端材が多く出てしまいます)。

 とにかく、このパラゴン(PARAGON)、曲線・斜め切りが多い・多い・so many ,too much!!!

 

  図面には簡単に描けるが本当に切りだせるのか一抹の不安が・・・・、

  JBLのパラゴンはアメリカ製なので資料もインチ(1インチ=25.4mm)表記、

 またいろんな御方のホームページを拝見するとパラゴンのオリジナルは当 初、3/4インチ(19.05mm)の樺材積層合板を使用していたが1964年以降は1インチのパーティクルボード(木材の小片を接着剤と混合し熱圧成型 した木質ボードの一種である by ウィキペディア) に変更される。

 

 外観の仕上げは、4種類の突き板(黒いマホガニー、焦茶色のウォルナット、オイル仕上げのウォルナット、黒檀)から選べたようです。

 

 これも請売りですが、スピーカーの筺体(エンクロージャーと言うらしい)は一般的に次の役割を担うそうです。

 

  1・スピーカーホーンは音が出る際に激しく前後に動くので、スピーカーホーンをしっかりと固定する。

 

  2.スピーカーホーンから発せられた音で筺体を振動させ筺体からも音を出す。

    これが残響音となり特に低音域にモコモコこもった音を出す。

    更にこの筺体の振動が今度はスピーカーホーンを振動させ、正確なスピーカーホーンの動きの妨げになる。

    故にこの筺体の振動や残響音を抑えたり、吸収しなければならない。

 

  このような役割を担うために、筺体の素材は一般に重くて硬い木材で出来た物が良いとされています

  (無垢材は理論的には理想的な素材と言われていまが、伸縮の狂い、大きな一枚の板が取れないなどサイズの問題でパラゴンには適してないと思います)。

  

  一般的には、ラワン合板、MDF、パーティクルボードが使われていますが、高級スピーカーでは最近バーチ(特に北欧産のフィンランドバーチ)が使われる傾向にあります。

 

  と、こんなお話が巷でされていることをキャッチし、なんと小生は24mmのフィンランドバーチ合板で作ろうとしているのだ!

 

  どうだ、凄いだろう!!(柄にもなく威張ってみました。恐縮です。)

 

 これは、とても重くて硬い板材です。

 ちょっと木工をかじっている最中なので語ってしまおう。

 

 普通合板と言うとラワン材を積層した合板やその上に突き板と言う極薄(通常0.2mm程度)の板(ペラペラで直ぐに破れてしまいます)を接着しています。

 これが俗に言う突き板合板というものです。

 よくスピーカーでウォールナット仕上とか黒檀仕上などと言われますが、実は表面の0.2mm程度がウォールナットや黒檀で板材の中身はラワンやMDF、パーティクルボードが殆どです(天然木突き板仕上と書いてありますでしょ。あれです。)

 

 あのJBL様の高機種でさえ60年代半ば以降はパーティクルボードです。

  べつにパーティクルボードが悪いと言うわけではないのですが、唯我独尊的偏見に満ち溢れた根拠の無い個人的見解から、どうしても木屑を圧縮したようなパー ティクルボードの雰囲気になじめず、今回は合板を使うぞ~と決めていました。

 (最初は自分で単板を積層して合板を作るぞ~!!とわめいていました。恐ろし い。でもいつかチャレンジしたい)。

 

 そこで目に着けたのがフィンランドバーチ合板でした。

 またこれがなかなか見つからず、福岡のどの材木店に聞いてもダメで、いよいよフィンランド大使館に聞こうとしていましたところ、ある材木店の方とのひょんな会話から見つけました。

 

 なんとそれもフィンランドバーチの突き板合板ではなく、表・芯・裏もすべてフィンランドバーチの積層合板でした。

 

 そんな経緯で発注したフィンランドバーチ合板が明日届きます。

 

 楽しみですが、もう一つ不安が、それは図面を3/4インチにならって厚さ19mmで描いていました。

 発注したのは厚さ24mm。確実に材を重ねた際に寸法の差異が発生する。

 そんな事はフィンランドバーチを発注する際に解っていましたが、何とかなるだろうと余裕のよッちゃんで考えていましたが、

 

 大丈夫かな?と今頃不安に・・・そんな悩みを抱えつつもよく寝ました。

 

 

 余談:フィンランドバーチの木目は淡く優しい色ですが、もう少々ハードさが欲しく表面はカッコいいツキ板を貼る計画を立てています。

     突き板を自分で貼るなんてと、またまた無茶な~!と言われています。

     でもカッコイイですよね。100%オール・フィンランドバーチにカッコいいツキ板。 しびれる~!!

 

 


 

2011/11/24 (Thu) 失敗のオンパレード

 

 不安と希望が幸運に助けられる事を願い登校。 

 フィンランドバーチが入荷する前に製作中の木型を作ってしまおうと思って念入りに寸法表記した図面を基に墨付け(切ったり・掘ったりするところに印をつけること)をするが、どうもヘン。

 暗算が苦手で大嫌いなので念入りに計算したのですが、完璧に間違っていた。

 さすが文系!!

 本日1つめの失敗&やり直し。 

 

 2つ目はもう一つ製作中の下駄箱の脚の寸法。

 あれだけ慎重に描いた図面がもろくも撃沈。

 

 3つ目は横切り盤で切る際の寸法。

 もう立ち直れない。

 

 4つ目はトリマーでの溝切り深さの間違い。

 幽体離脱してしまう。 

 

 せっかくの木型が使う前に、組み立てる前にボロボロになって行く。

 う~~~と唸っていると、フィンランドバーチがついに到着。

 その重さ、なんと295キロ。

 パラゴン(PARAGON)自体が300キロ強なので当然で前々から解っていのだが、やはり重い。

 それも48サイズ(2m40cmx1m20cm)。

 加えて保管場所が2階の資材置き場。

 クラスのみんな(老若男女)が手伝ってくれる。

 ほんと有り難い。嬉しい。最近年のせいで涙腺がゆるい。感謝・感謝。

 

 ついでに請求書も届き冷や汗が溢れだす。

 勿論前々から解っていたが、その金額を目の当たりにして、とうとう泡をふいて気絶する。

 1ケ月分の仕送り以上の金額!

 また、家内代表取締役奥様に負担を掛けてしまう(本当に申し訳ない)。

 

 この他にも別の木材やスピーカーユニット等など、まだまだ出費がかさむ。

 なんとしても完成させてやるぞ!!。

 

  落ち込んでいる場合ではない!と強がってみた。

ルーター
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